サウンドスケープヤバイ。まず広い。

 

ゲストは40年近い仲間の久保田慎吾くん(サニー久保田)率いるオールド・ラッキー・ボーイズの厳選されたメンバー。当夜の慎吾ちゃんは実は「イギー・ポップ」だったようです!!!基本、「アガリ症」なのでキンチョーすればするほど行動や顔つき(変顔)がおかしくなります(笑)。ナイーブなんだよねー。

 

 

 

 

もう6月です。

 

 今さらですが、6月ですねぇ。1年の半分くらいに到達しようというシーズンです。ま、正確には6月じゃなく7月になったら、こういう言い方をするんでしょうが。12の半分が6なんでつい。1年の終わりの半分の始まり。余計ややこしいわ!

 

 そんな今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?これから緑がさらに濃くなり、若葉が燃えるように勢いづく時期ですね。生命が溢れる時期。その昔、橋幸夫さんのヒット曲「あの娘と僕」(1965年、昭和40年)の歌詞の「炎のような波頭」じゃないですが、この世の全てが燃え出すような」ホットなシーズン?

 

 その前に今週半ばから梅雨入りなんて声も聞こえます。やだなーーー!!

 

 ではいつものようにここにこないだのマイご機嫌ラヂオ「Kenrocks Nite ver2」の内容を貼付させてもらいます。これがあなたの音楽生活の一助、参考になれば嬉しい限りです。 ラヂオも聴いてみてくださいませ!

http://www.interfm.co.jp/kenrocks/

 

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      KENROCKS NITE Ver.2

 大貫&カッチン  ゲスト 久保田慎吾さん 6.1 OA   2017

 

 みなさんこんばんは、大貫です、カッチンです、今日もよろしくです!早いものでもう6月ですよ。 残るとこ、ザックリいうと半年くらいです。月末30日にはいよいよ都内のエクストラLondon Nite がいつものOrganbar であります!オールナイトでブッ飛ばしますんでそこんとこヨロシコ!前売りとかないんで、当日オルガンバーに来てね!2500円ポッキリ。さて、そんな今夜はゲストの登場。しかも初です。しかも相当長い付き合い。例えば前に出てくれた野宮マキさんとか高木完ちゃんと同類項。そんだけ音楽活動も長くて親しい関係。本人もお待ちかねですの、サニー久保田こと久保田慎吾ちゃんとその楽団仲間。ご期待ください。まずは挨拶がわりの1曲。                            

M-1Candy Box / サニー久保田とオールド・ラッキー・ボーイズ 

  4’18”  完   「One from Sunny's Heart」    OLBS0002

 

 

<トーク1> 受けて解説など~ まず改めてゲスト紹介ありのトーク。順に自己紹介などしてまずは曲のことから、そこで我々の出会いとかから~。慎吾とは津田沼か千葉のパルコでビデオジョッキーした時が初対面?80年頃?ニナ・ヘーゲンとかね。当時の音楽シーンの記憶。えりこさんはビリーくんの追っかけ?ツバキで初対面だよね。などありの曲へ 

M-2 Out Of The Blue (Live At The Apollo, Glasgow) / Roxy Music 

  4’35”  (歓声残る)   [Viva! Roxy Music 」   TOCP-65827 

                  

<トーク2> 受けて解説~曲とバンドの解説を~ロキシーは来日見たの?2回目の武道館ライブ(09&10 February 1983 Budokan Hall Tokyo Japan)。音楽的な背景は多彩だよね?つーか、なんでも好きだし。特にオシャレ系。アート系。映画ならイタリアやフランスの60年代物。フェリーニやアラン・レネ(ヒロシマ・モナムールや去年マリエンバードで)とか?でユーミンや葡萄畑とかも好きでグラムやパンクもね。今回の作品について。サニー名義では2枚目?今日の仲間とはいつころからの付き合い?

M-3 Ziggy Stardust / David Bowie

  3’10”      「 The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars」     

  

    

<トーク3> 受けて解説~で、アルバムの話を~何曲入りで、発売はいつ、どこから?内容的にはココを聴いてくれ!というような主張ある?サウンドスケープは十分に洋楽チックでそれもアラン・パーソンズみたいなポップさも。セイラー、コックニーレベルとかね。最後にこの曲。京成と東武線に千住曙町とかローカル色たっぷりだし。キミの酒場があるの?これは君の私小説的作品?じゃ、慎吾ちゃんから紹介してもらおう。ついでに告知とかあれば(6月以降で)。

M-4 町で一番の酒場 / サニー久保田とオールド・ラッキー・ボーイズ 

   4’55”            完  「One from Sunny's Heart」    OLBS0002

 

                              <<  RUMBLE  >>    別紙   

 

 いかがでしたか、今夜のKenrocks nite? 前半大貫コーナーはゲストに 古い友人で風変わりなキャラの持ち主のシンガー、サニー久保田くんとその楽団オールドラッキーボーイズのメンバーなどお迎えして昔話から近況まで楽しく騒がしく盛り上がりました!お知らせ~今週末は初の岐阜でのロンナイです。6.3 (SAT )@ 柳ヶ瀬アンツ。オールです!カッチンカから~今夜はこのへんで。お相手は大貫&カッチンでした。ではまた来週、 ADIOS AMIGOS!

 

近代は何故サウンドスケープ問題を引き起こすか

清水郊外の興津の朝。露天風呂が気持ち良い季節。朝温泉でサッパリ。

昨夜いっぱい食べたので、朝のバイキングはパスして浜松に向かおうとすると、送迎バスの富士駅方面に『お知らせ』が。
5月3日は『由比桜えびまつり』のため、由比駅には寄らない…と。

今日じゃん!

急遽、清水行きのバスに乗る予定を止めて、薩?峠のバイキングに切り替え。

健康ランドから薩?峠を由比宿へ 東海道の峠越え。

前回歩いた時は、ミカンを一袋買って食べながら歩いたのだから、冬だったかも。今日は甘夏の橙色と袋掛けが終わった枇杷の果樹園の中をゆっくり歩きました。


峠に着くと、大きな富士山が真正面に見えました。


雪が頭と沢筋に残る程度と、アルプスなどより早い融雪は独立峰だから?

今日は休むことなく、由比宿へ。
気持ち良い汗をかけました。

由比駅の前で到着した電車を見てビックリ! ラッシュ時のターミナル駅のように人が出てくる。その名も『由比桜えび通り』を通って会場の漁港へ。

↑真ん中の山の左に富士山の頭が見えました

お祭りなのである程度の混雑は覚悟したものの、きっと地区のお祭りで…と思っていたので、県レベルのお祭りとは想定外でした。

会場でもらったチラシには
『由比桜えびまつり』
8:00~14:00
とあり、時間帯は漁師さんの生活時間。桜えび丼など、食事処を期待するも、漁港、つまり会場に行くと、そこは桜えびに特化したというよりは「花見か花火大会の会場か」という『何でもあり』の屋台の出店が、食べるものばかりですが、過半数。
期待した食事ができるお店が少なく、そこは長蛇の列! 出店はお祭り価格で調理前の魚や調理したとしてもおかずレベルのもの中心(桜えびのかき揚げには長蛇の列でひとり6個の制限まで)。富士宮焼きそばとか大分中津からあげなど、ここで食べなくてもいいような屋台は並ばずに買えるのですが、それは違うでしょう!
そんな中 一番奥まったところでしたで開いていた どこかの青年部の桜えび入り焼きそばのテントが350円と安くて良心的価格で当たり!
食べるところを探していたら、桜えび入りのさつま揚げが串に刺して売っていたので、これも1本。
これが遅い朝食になりました。


由比桜えびまつり、漁港のお祭りですが、来るお客に対応できるレベルはすでに漁港の人たちでは無理で、屋台業者に応援を頼んでいるような感じでした。


勿論、公共の機関の参加ブースもあり、静岡刑務所の展示販売は人気でした。
そしてもうひとつは、今日が憲法記念日だからとは関係なく、自衛隊の宣伝ブース。「自衛隊に入ろう」と自衛隊車両に試乗したり、自衛官になろう!とのスカウトをしていました。残念ながら米軍みたいに銃をさわらせてくれるサービスはしていないようでした?

お腹がまだ空いていたので、帰りに練り物やさんの桜えびご飯のお弁当を購入、駅で食べて、人にもまれて疲れた『桜えびまつり』を出ました。


今夜のおかずを求めに静岡県内から来る感じの催しって感じが、朝8:00~14:00という時間設定に納得でした。旅の帰りに寄るべきお祭りでした。

由比で満腹になって、浜松へ移動。

↑上り電車から降りた人が臨時改札にあふれていました!


浜松市楽器博物館
第187回レクチャーコンサート「美しい水の祭典~オンド・マルトノ六重奏のサウンドスケープ~」 

14時~
アクトシティ浜松 コングレスセンター41会議室


<オンド・マルトノ>
原田 節 (ハラダ タカシ)
市橋 若菜
久保 智美
坪内 浩文
田村 玲彦
大矢 素子
 
今日は滅多に聴けない音が楽しめそうなので、浜松までの小さな旅。その音楽は あまりに私の守備範囲からかけ離れているので、楽器博物館のことばを以下に載せます。

・HPから今回の音楽会について
『20世紀始めにパリで生まれた電子楽器の原点。多くの大曲家を魅了した、甘く、透明な響き。メシアンは大作「トゥランガリーラ交響曲」に採用。「美しい水の祭典」はオンド・マルトノ6台が奏でる幻想世界。全曲演奏の機会は少なく、日本では1984年以来2回目で、初の日本人奏者のみによる演奏である。』

・HPから楽器について
『◆オンド・マルトノとは・・・
1928年にフランス、パリの作曲家でチェロ奏者でもあったモリス・マルトノMaurice Martenot(1898-1980)が発明した電子楽器。ロシアのテルミンと並ぶ電子楽器の雄である。オンドOndesはフランス語で「電波」の意味。画一的ではなく、演奏者により独自の音楽表現を生み出すことができるため、メシアン、ミヨー、ジョリヴェ、オネゲルなど今日まで多くの大作曲家たちが作品を書いている。鍵盤はあるが、鍵盤を使わずにリボンというワイヤーを操作して演奏することが基本。またスピーカーは、バネ、弦、銅鑼の共振を利用した独特の残響を作り出す。パリ音楽院には演奏学科があり名演奏家を輩出している。

◆神秘と癒しの音空間
 第一次世界大戦に通信兵として従軍したフランスの若き音楽家モリス・マルトノ。彼が暁の塹壕の中で、当時の通信機に使われていた三極真空管が発するピュアな発信音に着目したことから、オンド・マルトノの歴史が始まる。その後10年以上の研究期間を経て、1928年パリのオペラ座で、多くの文化人を前で、この楽器は初めて公開演奏された。オンドとはフランス語でさまざまな波を意味するが、ここでは電波ということになる。いかなる楽器を作るかという点で重要なポイントが三つあった。第1は音楽家マルトノが演奏していた弦楽器チェロの演奏法と音楽表現法の強い反映。第2は1928年の演奏会以降、楽器の演奏方法、つまり演奏家が直接楽器に触れる部分へのいたずらな変更が無いこと。第3は自分の楽器から出る音そのものが人々の心身を癒す効果を持つこと。神秘と癒しの音空間こそ、オンド・マルトノの醍醐味なのである。』
 ということ。

電子楽器の六重奏なんて これを逃したら絶対に聴くことはできない!
宴会場の設えの部屋に舞台を設けての演奏会になりました。


前から2列目の中央で聴くことができました。

最初に楽器博物館の嶋館長のお話。
「今回のメシアンの作品を日本人だけで演奏するのは初めてのこと」
「関係の取材が入ってもいいくらいの企画なのだけど、NHKも来てくれない…」
そのあと楽器の説明を簡単に
「本体にスピーカーが3~4台で1セットの楽器になる」
「電子楽器というと プログラムをセットしておけるとか思われるが、この楽器はあくまで音を作る素が電気ということ。スピーカーから音を出す。だからスピーカーの性能で音が変わる。またとてもデリケートな部分もあり、音が狂いやすい」
「鍵盤とその下には指をスライドさせて音を決める発音装置があり、これだとどんな高さの音も出せる」
そして驚きの事実
「この楽器は和音が出せない」
つまり単音しか演奏ができないらしい!
「だからこそ、オンド・マルトノ六重奏の曲が作れる」
等々




ここで原田さんが登壇。最初の曲はオンド・マルトノのソロで
?ハラダ タカシ:フリーウェイ
銅鑼のスピーカーを利用した作品。銅鑼を鳴らす音楽のため、残響が金属的。とても幻想的でした。私には音の強弱をかけると、楽器が遠くに行ったり、近づいたりと、遠近感を感じさせる錯覚を伴わせる音楽が 不思議でした。

続いて2台のオンド・マルトノ(市橋さん)で
?T.ミュライユ:マッハ2.5
超現代的な作品。私の音楽を聴く姿勢を根本から崩すような、頭を中の音楽についての記憶をまっさらにしてくれるような作品。
だから感想なんてありません!
音としては、ビブラートの揺らぎがとても心地好く届きました。

次は原田さんが「マッハを受けて」と言って
?ハラダ タカシ:マッハ・バッハ
バッハの平均律をオマージュして、プレリュードとフーガの2楽章にもうひとつ加えた作品。加えた曲の名前は『黒イワシ』
編成は2つのオンド・マルトノ(原田さんと久保さん)にピアノ(田村さん)。
バッハ風のプレリュード。聴きやすい音楽で、オンド・マルトノの音の特徴がハッキリ聴き分けられる。とても愉しい。
フーガはピアノが休み。ジャズというかブルース風の音楽が 新鮮。オンド・マルトノが歌いました!
黒イワシでピアノが戻ってきて、こちらは映像のBGMそのもの。ピアノは雨そのもの。そこに織り込まれるオンド・マルトノは、ドキュメンタリー映画の森の中の虫たちの音楽。雨が小雨になると葉っぱの裏や土の中から虫が活動を開始する、そのような動きにピッタリ。私好みの音楽で とても楽しめました。

次にオンド・マルトノにひとり(坪内さん)加わり、オンド・マルトノ3台にピアノで
?ハラダ タカシ:二つの無邪気の間で
表題の詩をモデルに作曲したとのこと。
旋律がハッキリして とても聴きやすい曲。ここまで来ると、どのスピーカー(銅鑼を鳴らすのか弦を共振させるスピーカーか)から音が出ているのか 聴き分けられて、音の特徴を捉えて聴くことができて楽しさ倍増!

前半最後で大矢さんが加わり
?J.シャルパンティエ:オンド・マルトノ四重奏曲より第四曲
ここに来ると、スピーカーの違いや鍵盤によるハッキリした音とスライドによる微妙な揺れが感じられる音との違い、組み合わせ、の妙が楽しめるようになりました。

1時間足らずでの自分の成長に驚き!

10分(以上)の休憩を入れて、今回のメインプログラム
?O.メシアン:美しい水の祭典
全8楽章(部)からなる作品。奇数楽章は同じ主題によるので、ロンド形式に似た形式とも言える。
『ロケット花火』と題された奇数楽章は華やかな音楽。それに対して2-4-6楽章の『水』と題された楽章の美しく、繊細な音楽はオンド・マルトノの神秘性を存分に発揮させた、美しい瞬間に満ちた音楽に浸れました。


16時前に終演。暖かく賑やかな浜松駅前。このあと4時間の電車なので、早めの夕食。レパートリーのない私は、浜松の夕食のお決まりになっている、駅ビル内の浜松餃子のお店に。
今日はつけ麺セット。ボリュームもあり夏にピッタリ。


窓際のカウンター席だったので外を見ると、通りに出店があり、歩道前にロープがあって、そこにたくさんの人が座って待っている。
駅前に出ると 今日は『浜松まつり』で 18:30~屋台の引きまわしが行われるという。これを観ていたら新幹線利用になっちゃうので、パス。お昼には海岸で凧上げがあった模様で、よく見れば町中に、法被を着た人がいっぱい歩いている。もらった浜松まつりのパンフレットには 町(組)ごとの法被の模様の一覧まであり、浜松市民全体のお祭りの様相がわかりました。

あとは浜松から東海道本線の各駅停車で4時間。この区間、浜松~熱海のJR東海の区間、年間何回乗っているのか数てみたくなるくらい、見慣れた風景の中 横浜に向かいます。

早く帰宅してシャワーを浴びたい?

サウンドスケープで差をつけちゃぉ♪

 電気グルーヴの13thアルバム『TROPICAL LOVE』のレビューです。12th『人間と動物』(2013)からは4年ぶりとなりますが、そんなに空いていたのかと驚きました。

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 …と、相当久々のはずなんですがあまりそんな気がしません。シングル『Fallin' Down』(2015)を挟んでいることと卓球ソロアルバムの『LUNATIQUE』(2016)があったからかな。それとも毎週『ピーエル瀧のしょんないTV』を観ているからだろうか。笑

 でも考えてみれば11th→12thも3年半空いていたし、当時はまだそこまでファンじゃなかったけど8th→9thの8年ブランク(企画盤を除く)に比べればたったの半分ですね。

 当ブログを立ち上げた時(2010年)には既にファンでしたが、以降のアルバムリリースがブログ休止期と重なっていたため電気の単独レビュー記事は今回が初となります(「今日の一曲!」を除く)。元メンバーのまりんの記事は書いていましたけど。


 先に軽く総評を書きますが、本作を聴いてまず思ったのは「本当に2017年のアルバムか?」ということです。古臭いとディスっているわけではなく、褒め言葉。

 8年ブランク明けの9th『J-POP』(2008)以降はリリースの度にきちんと時代の音に合わせているという印象でしたが、本作は8th以前の作品だと言われても違和感がないような懐かしさのあるサウンドではないでしょうか。

 加えてとてもコンセプチュアルだとも思いました。生っぽいというか異国情緒があるというか、タイトル通りトロピカルな質感が全体的に漂っていると感じた。このあたりのことは最後に改めて書くので、とりあえず収録曲を見ていきましょう。全10曲です。


01. 人間大統領 / Ningen President

 "人間はすべて大統領"という衝撃的な宣言から始まる一曲目は『伊集院光のてれび』(BS12 TwellV)のテーマソングです。番組の内容は知りませんが書き下ろしだそうなので、間奏にTV番組のMCっぽいのが入るのは狙った遊び心でしょうか。笑

 イントロは鳥の囀り・蛙の鳴き声・虫の音・水音とジャングルっぽい音がサンプリングされていてまさにトロピカル。コテージに泊まるとこういうサウンドスケープに出会すよね。特に朝と夕方。

 そんなアンビエントな空気を激しいビートが打ち破り、歌唱スタート。瀧の声が入って一気に電気っぽさが出ます。ヴァース―コーラスというか2種類の単純なメロが交互に出てくるシンプルな構成ながらも、言葉選びが相変わらず上手いので非常にダンサブルな仕上りに。


 反面トラックはとても凝っています。イントロもそうですが色々な音が鏤められ次々と交代していくので飽きません。ストリングス?のフィルインも実に電気っぽいと思うし、"ウッ、ハー"も癖になる。底にはKenKenのベースによる確かなグルーヴがあって安心できるというのもデカい。

 中でもいちばん好きなのは2:34~3:01の雰囲気が変わるパート。全体的にはコミカルな印象の曲だけどここは単純に格好良い…と同時に狂気を感じるのが好き。"さあ続いてはなんと双子の大統領です"に潜む怖さよ。


02. 東京チンギスハーン / Tokyo Genghis Khan

 "東京"と"チンギスハーン"。何だそれとつっこみたくなる組み合わせですが、そのインパクトに見合った怪しい魅力と中毒性を放つトラックです。歌詞もそうですがちょっとホラー入ってるよね。笑

 基本的には"東京チンギスハーン"の連呼を軸に瀧の"最高"とまりんの"逃げて"で突き進むノリのいい曲ですが、全体的に音が不穏で妙な緊張感に包まれています。中盤の"奴が来る"のパートで緊張は極大になりもはや恐怖。ここを聴いた後だと"逃げて"が凄く迫真に思える。

 クレジットからギターウルフの「涙のタイムマシン」(『火星ツイスト』(2007)収録のほう)がサンプリングされていることがわかりますが、最初のカウントアップのことかな。"4(Go?)"の語末(母音)がザラっと伸ばされるところに卓球らしさを感じた。


03. 顔変わっちゃってる。 / Kao Kawacchatteru.

 本作でいちばん気に入った曲。ヘビロテの止め時がわからないぐらいにツボでした。全ての音がビートを刻んでいる感じというか、ベースラインとウワモノが渾然一体となってグルーヴを醸しているのでとんでもなく踊れる。

 同一のフレーズをゴリ押ししていくパワー展開なんだけど、音の重ね方が絶妙で次々と印象を変化させていくので、そこに「顔変わっちゃってる。」感を見出しました。


 メロディもとても好みです。本作で唯一Aメロ→Bメロ→サビのわかりやすい構成を持っていますが(Bは変則Aという感じだけど)、全編通して浮遊感があって心地好い。コーラスワークの妙もあるでしょう。

 特にBの"解りきっちゃってる YO!"のフラフラした感じが堪らない。単純なAに引っ張られるとBが歌いにくくなるといった不安定さがあるよね。サビの"全身のKeyが触れる"の曖昧さも芸術的だと思う。

 アレンジ面でもシンセの揺らぎが気持ち良かったり間奏の中華風の旋律が幻惑的だったりと、とにかく全体的にアンステーブルなのがこの曲の魅力ではないでしょうか。いちばん目立っているプワプワした音(0:48~登場するやつ)の空間支配力も功労賞モノ。


 歌詞も面白くて好き。"ジョニーラモーンニギターソロナシ"と"ジョニーマーワギターガウマイ"は洋ロック好きならにやりとできますね。笑 最初の"安全地帯だって真っ赤っかだもん"とか2番の"ウルトラソウル 持てるか疑問"とかシニカルなやつも上手い。


04. プエルトリコのひとりっ子 / Puerto Rico no HITorIKKO

 発売前にいちばん気になっていたタイトル。電気の曲には国名や都市名がよく登場しますがまた増えましたね。01.「人間大統領」にも"プノンペン"と"ベネチア(グラス)"が登場しますが、言葉が持つ響きを巧みに利用するのも職人芸の域。

 ということでこの曲はライミングが素晴らしいです。歌詞カードを見なければ日本語であることも忘れてしまいそうなぐらい響きに特化していると言えます。特に"実家跡取りっこ"は分かったうえで聴いても日本語に思えないほど。

 メロディは至ってシンプルでサビしかないような感じですが、全体の胆となるメロというだけあって綺麗ですね。童謡やわらべ歌にありそうな和風の旋律。ボーカルにトミタ栞が参加している曲の1つですが、彼女のあどけない声も世界観に巧くフィットしています。

 トラックはディスコ風味でとてもお洒落。メロ部分をサビとするならトラック自体がA・Bメロを担っていると表現してもいいくらい独立して素敵です。特にチョップされたピコピコ音(1:07~)に耳を擽られるのが癖になる。


05. 柿の木坂 / Kakinokizaka

 電気にたまにある歌詞が真面目で物哀しい曲の登場。…と思いきや、後半でガラッと明るい雰囲気に変わるので驚きました。長尺ナンバーで8分近くあるものの哀愁漂う歌唱パートは2分近くでおしまい。

 "金曜の夜でした/雨の日でした/懸命に思い出した/涙こぼした"。状況を想像すると胸を抉られるような想いがしてくる切ない歌詞ですが、こういう想像させる歌詞も実は卓球の得意とするところだよね。

 歌パート以降はドラムの魅せ場が暫く続きますが依然トラックは切ないままです。しかし4:37まで進むと明るい音が入ってきて別の曲のようなキラキラ感を纏い出します。その後も切ないピアノ系の音は再登場しますが、哀しいままで終わらないので希望のある締め方だと思う。


 このように一曲の中で変貌を遂げる意味深なトラックですが、この曲にはアルバムの流れを変える役割もあると思います。01.~04.でひとまとまり、05.を挟んで06.~また新たな流れが始まっていると解釈したので、ターニング曲としてこういう展開なんじゃないでしょうか。"坂"というモチーフもそれっぽいしね。

 それにしても気になるのは後半で繰り返される歌詞にないフレーズ、何言ってるんだろう?"絶対今すぐ ここの二次会(自治会?)ケミカルよ"って聴こえる。笑 6:03~6:11なんかはかなり聴き取りやすいと思うんだけどよくわらかなくてモヤモヤする。


06. Fallin' Down Album mix

18thシングルのアルバムVer.ですが随分変わりましたね。オリジナル(シングルVer.)はひたすら爽やかで昇天していくような多幸感に満ちていましたが、こちらはファンキーなベースラインが加わったことで他の曲との統一が巧く図られていると感じます。

 オリジナルはハッピーで良いけど正直曲としては面白みがないと思っていたので、こちらのVer.のほうが圧倒的に好みです。感覚的な表現ですみませんが、こちらのほうが"メビウスの罠"の中に入る感じが出ていると思う。


07. ユーフォリック / UFOholic

 本作唯一のインストナンバー。日本語だけだと"euphoric(多幸症の)"を連想しますが、英題は「UFOholic」なんですね。06.「Fallin' Down Album mix」のところでオリジナルに対して「多幸感」という言葉を使いましたが、その成分は続くこの曲に移ったなという趣。だから掛け言葉だと思う。

 これも8分近い大作で、シンプルでキュートな旋律を軸にじわじわと盛り上がりを見せる展開はまさに「ユーフォリック」。笹沼位吉のベースのいい仕事っぷりにも惚れ惚れします。

 英題から連想するイメージですが、UFOに吸い上げられて天へ向かっているような…つまり地球(重力)からの離脱的な幸せ成分を感じるサウンドです。音が近い言葉に"euphonious(耳に快い)"がありますが、その要素もあるんじゃないと思うくらい美しい。


08. トロピカル・ラヴ / TROPICAL LOVE



 表題曲でMVもあるリードトラック。MVからも伝わってきますがまさに"トロピカル・ラヴ"全開の楽園満喫ナンバーです。07.「ユーフォリック」で連れ去られて新天地に到着といったストーリーが想像でき、引き続き多幸感に満ちたサウンドで沁みわたっていきます。

 この曲にもトミタ栞がボーカルで参加(コーラス)していますが、あどけない印象だった04.「プエルトリコのひとりっ子」とは異なり少し大人になったなと感じます。"ラヴ"を知ってしまった声と表現してもいいかも。

 中盤には少しだけ暗い影を落とすようなパートがありますが、恋の予感だとかサンセットだとかそういった境界の類を表現していると捉えました。"始まり"に付き纏うちょっとした不安はある…でも幸せのほうが勝っている。そんな状態がいちばん綺麗とでも言いたげ。


09. ヴィーナスの丘 / Venus Hill

 フラメンコ(スパニッシュ)ギターが印象的な艶やかなナンバー。ボーカルに夏木マリを迎えているだけあって、歌詞も"まり"で韻を踏むという遊び心があります。夏木マリの歌声が素晴らしいのは言わずもがなですが、このお誂え向きなメロを提供した卓球のセンスの高さも流石。

 08.「トロピカル・ラヴ」の歌詞には夜を描いた一節があるものの、サウンド的には昼~夕のイメージが抽出されていたと思います。一方こちらは完全に夜の曲といった趣で、歌詞にも"ツキ"("luck"の意味もあるでしょうが)や"満天の星"が登場します。

 舞台に関しても08.は街(陸)かせいぜいビーチサイド(陸海境界)までだと思う一方、こちらは浅瀬~海中まで進んでいるように思えます。そもそも"Hill(丘)"ですし"森も満開"というのも陸っぽいフレーズなんですが、全て海中の地形及び光景のことだと僕は解釈しています。



10. いつもそばにいるよ / Stand by You

 この曲も02.「東京チンギスハーン」と同じく軽くホラー入ってます。いや、だいぶ入ってるかな。笑 ラブソングのようなタイトルですが、歌詞は"100万回襲ってくる"奴の特徴が次々と開示されるだけという実に電気らしい内容。どっしりとしたサウンドでみっちり8分近く慄けます。

 本作の中でいちばん異彩を放つ曲だと思いますが、攻撃性のあるトラックに飢えたニーズはここで満たせるのではないでしょうか。特に0:43~鳴るヒリヒリした途切れ途切れのシンセが虫の息って感じでツボ。ちょいちょいダブになるのも脳を揺らしてくれて良い。

 ここでもまた国名が出てきます。"国際線で羽田にくる ドバイ経由で来る"。誰だよ、怖ぇーよ。どうやら"ガマガエル"を"見せにくる"そうですが、01.「人間大統領」のイントロにあったような生物の声が聴こえるのも特徴ですね。勿論蛙もいます。




 以上全10曲でした。冒頭でも書きましたが、サウンドに統一性があると感じたので非常にコンセプチュアルなアルバムだったと思います。且つそれが最新の音という風ではなく、どこか懐かしいような、昔の電気に戻ったような…そんな印象を持ちました。

 それが原点回帰的に意図したものなのか、或いは異国情緒漂うコンセプトがそうさせているのかわかりませんが、2017年にこういう音が聴けるとは思っていなかったので理由はどうあれ良い意味で裏切られました。


 いちばん好きになった曲はレビュー中でも書いた通り03.「顔変わっちゃってる。」ですが、この曲を含めた01.~04.の流れが堪らなくツボだったのでこの4曲は全てお気に入りです。

 しかしそれゆえにと言いますかあくまでも相対的にですが、最初は後半の曲については10.以外はあまり印象に残りませんでした。その印象が変わったのは、このレビューを書く過程で05.「柿の木坂」をターニングポイントとして06.~10.がひとまとまりになっているんじゃないかというストーリーを見出したからです。

 これを考えると後半のほうがよりコンセプチュアルだなと思えます。特に06.~08.はまとめて一曲としてもいいと思えるほどに話の筋が見えた気がした。そうして何度も何度も通して聴いていたらいつのまにか全曲単体で好きになっていました。端的に言って名盤だと思います。




 続いては初回盤付属のDVDについて紹介しますが、例によってCDレビューが長くなってしまったので雑感で済ませます。収録されているのはライブ「お母さん、僕たち映画になったよ。」2016/03/09の模様です。

 セトリは01. Hello! Mr.Monkey Magic Orchestra/02. Fallin' Down/03. Missing Beatz/04. Shameful/05. 新幹線/06. Eine Kleine Melodie/07. Baby's on Fire/08. スコーピオン2001/09. Barong Dance/10. あすなろサンシャイン/11. カメライフ/12. TKO Tekno Queen/13. Fake It!/14. Love Domination/15. FLASHBACK DISCO/16. ジャンボタニシ/17. N.O./18. かっこいいジャンパーの全18曲。

 新しい曲から旧い曲まで幅広い豪華なラインナップですが、個人的にいちばん嬉しかったのは09.「Barong Dance(バロン ダンス)」です。スタジオ音源でも十分にトリッピーなダンストラックですが、モニタの民族的なVと合わさるとプリミティブな恍惚感がより刺激されて別次元ですね。これは「ダイナソータンク」のお陰もあるかな。

 副音声には電気の2人にサポートでお馴染み牛尾憲輔を加えた3人によるオーディオコメンタリーが収録されているので二度楽しめます。といってもあまりライブ内容に関係のない脱線トークが多めです。笑